日銀関係者はバカなのかな携帯値下げで狂った? 日米物価上昇シナリオ
携帯値下げで狂った? 日米物価上昇シナリオ :日本経済新聞
2017/7/18 15:38日本経済新聞 電子版
日米両国で物価上昇の鈍さが中央銀行を悩ませている。エネルギー価格が物価の足を引っ張る主因とされてきたが、これに次ぐ“主役”になりつつあるのが携帯電話サービス料金。消費者にはうれしいはずの携帯値下げが、2%程度の物価上昇目標を掲げる中銀にとって悩みの種になっている。
米労働省が14日発表した6月の消費者物価指数(CPI、季節調整済み)は前月から横ばいで市場予想を下回った。大きく影響したのはガソリン価格で2.8%下がった。ガソリン価格と並び、最近の米国で物価下落要因として語られるのが携帯電話サービスだ。6月は0.8%の下落。ドイツテレコム子会社で米携帯3位のTモバイルUSなどが割安な料金でシェアを拡大し、ソフトバンクグループ傘下の同4位、スプリントなども対抗。各社の激しい価格競争が背景にある。
「物価を押し下げているのは携帯電話使用料や医薬品など一時的な要因」。米連邦準備理事会(FRB)のイエレン議長は12日、米下院での議会証言で物価の伸び悩みの原因を繰り返した。物価が伸びなければ、FRBが進める金融緩和の縮小にも影響が出かねない。市場では利上げペースが鈍化するのではないかとの見方も出ている。
「なぜか米国でも携帯が原因と言い始めたね」。日銀関係者は苦笑する。実は先に指摘したのは日銀だ。4月の「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」で、携帯電話通信料の下落を物価の伸び悩みの一因と分析した。黒田東彦総裁も4月の記者会見で、足元の物価低迷について「携帯電話機や通話料の引き下げが効いている」と語っていた。格安スマートフォン(スマホ)への乗り換えや総務省の指導による通信料の引き下げが進んでいたからだ。
今後、この傾向に拍車がかかる可能性がある。「格安スマホに魅力を感じる顧客が増えている。今回はガツンといった」。今月10日、KDDIの田中孝司社長は主要な料金プランを最大3割引き下げると発表した。発表を知った日銀関係者は「値下げはまだ続くのか」と表情を曇らせた。NTTドコモも6月、料金プランの引き下げに動いた。今後、対象端末数の増加や既存端末への適用も検討するという。
日本の5月のCPIは生鮮食品を除く総合で、前年同月比0.4%の上昇にとどまる。さらにエネルギーの影響も除く指数でみると前年同月比で横ばいだ。日銀は19、20日に開く金融政策決定会合で2017、18年度の物価見通しの引き下げを検討する。
日銀は携帯料金の引き下げによる物価への影響は「特殊要因」とし、物価は上昇基調にあるとしてきた。さらに日銀関係者は「携帯にかかるお金が減れば、その分、別のことにお金を使うようになる」と話す。
もっとも日銀のシナリオ通りにいくとは限らない。楽天リサーチが5月下旬、20~60代の男女1000人に格安スマホへの乗り換えで使用料が安くなった場合のお金の使い道を聞いたところ、「貯金」が35.1%と最も多かった。続いて多いのは「特にない」の29.3%だった。
市場では近年、なかなか上昇しない原油価格に注目が集まってきた。だが、格安スマホの存在感が高まり家計に与える影響も大きい。携帯値下げ発の物価の下押し圧力にも注視する必要がありそうだ。
苦笑するのはこっちだと突っ込みたくなる
表情を曇らせたとか、笑いでしかない
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